フジオカシュウトにとっての「建築学会大会2017 in広島」に関する一感想と題しまして、大阪工業大学藤岡が投稿致します。
- フジオカ
- 2017年9月7日
- 読了時間: 4分
お久しぶりです。今年度より、ゼミ長を務めることになった藤岡です。
今日は8月31日〜9月3日まで広島で開かれていた建築学会大会、広島建築見学の話を中心に綴りたいと思います。
建築学会大会に関しては自身の発表を終えての感想、建築見学に関しては心に残った2作品について記していきます。
はじめに、ぼくの発表内容に関して、簡単に話しておきます。。。
今回の大会では、アルド・ロッシの言説を探る中で頻出する「劇場」に着目し、
彼が提案した4つの劇場の考察を行うことで、おぼろげに見えてきた「劇場」をめぐるロッシの主題について発表しました。
考察結果は、都市と建築の関係が各劇場とも反映されていて、それらの関係性についても連続的な変化を読み取ることができ、興味深い解釈を行うことができたと個人的には思っています。
(詳しい内容は、梗概を読んでください!尚、修士論文でも同様の論題に向き合っております。。。)
で、肝心の大会の発表についてですが…
発表者ツールを使用したプレゼンが可能であることが事前に分かったこともあり、
特に緊張することもなくリラックスして話すことができました。
カタカナが多く、噛んでしまう部分もいくつかありましたが、想定の範囲内だったかなと思います。。。

一つ残念だったことは、質疑が来なかったこと。
同じセッションの人が時間を超過したことも関係していたとは思いますが、
やはり批評を頂けなかったことは残念でした。
ただ発表終了後に博士論文でロッシを扱っている東京理科大学の助教の方から
「面白かったですよ」という言葉を頂きました。
気を遣ってくれたのかもしれませんが、この言葉を慰めに今後も頑張っていきたいと思いました。笑
またぼくと同じ「批評」のセッションでは、古谷研、塚本研の発表が興味深い内容であったため、魅入ってしまいました。
両研究室とも、リサーチの密度が高く、さらにスライドも美しいので、毎年のことですが見惚れてしまいます。
特に古谷研のスカルパ研究は、スカルパファンの僕にとって目からうろこの情報が多く、
「ブリオン・ヴェガ」への見学欲がさらに強くなりました。
以上が、大会を訪れての感想でした。
今年は自分が、発表者ということもあったので、他の発表を聴講する際に、
自分の発表を基準にそれより上か下かという視点で見ることができたので昨年より楽しめたと思います。
来年は山本くん、高橋さん頑張ってください。
続いては、広島建築見学の感想に移ります。
大きいものから小さいものまで含めて10作品ほど見学したので、その中でも個人的に面白いと思えた2つの作品について書きます。
まず一つめは、「三次市民ホール きりり」 (青木淳)

「きりり」は広島県と島根県、岡山県の県境に位置する三次市の市民ホールです。
広島駅から片道2時間、かつ往復3000円弱かかる場所ですが、
青木信者なので、時間も費用もお構いなしに行ってきました。


メインの機能はほぼ2層目にまとめられていて、1層部分はピロティ空間となっています。
1層目の主な機能は駐車場なのですが、壁柱によって得られる囲まれているような感覚、高い天井高、降り注ぐ光によって内的外部ともいえる心地よい空間が生まれていました。
「空間の質によって、出来事が起こりえる「原っぱ」だ!」とワクワクしながら見学しました。

ただ一つミステリアスであったのが仕上げ材の切り替え方でした。
主にRC打ち放しによる仕上げと白に塗られた仕上げがあり、
その塗り分け方に一定のルールがありそうな気がしたのですが外を見ているだけでは解明できず、
それが内部空間への伏線なのかなと想像しましたが、正直よく分かりませんでした。



このように内部に入るとより多様な仕上げが現れ、かつそれらがバラバラに並置されているような印象があって、
解釈はどんどん膨らんでいきます。
一緒に見学した岡本くんとは、「「表と裏」というキーワードで説明できそうだね」と話しましたが、真相は謎です。
「きりり」は深読みがどんどん進んでいく「The 青木建築」ともいえる建築なので、
是非、三次を訪れた際には行ってみてください。
事前の予約があれば、
メインホールも設備/機械室も楽屋も搬入口もすべて見学させてもらえます。
(ぼくは予約なしでしたが館内スタッフの御好意で隅から隅まで見させてもらいました。。。)
ホールのスタッフ(利用者)の 視点も交えたリアルな話を聞くことができるので、
ホール建築の建築計画的な側面も見学を通して学べるのでオススメです。



それでは、2つ目のオススメ「新勝寺」(名和晃平)について書こう…と思いましたが、
充電が切れそうなので一旦終わりにします。

気分が乗ったら、また後日書きます。
新勝寺も見学を通じて、面白い解釈が与えられそうな建築だったので、その辺のことを書ければと思います。
次回は、設計が優秀な先輩として君臨してきた村上のケンさんです!!
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